あなたがユーチューバーを見限るべき理由

すでにYouTubeで有名ユーチューバーになっている、稼げている人は、今回の記事を読まなくてもいいと思います。でも、いまユーチューバーで悪戦苦闘している人、あるいはこれからユーチューバーになろうと思っている人には、ぜひ読んでほしい考察です。

はじめまして。KOMUGIの長嶋夕貴です。初エントリーです。現在、ライブ配信アプリ「17 Live (イチナナ)」で日々、配信するライバー(ライブ配信をする人)たちをサポートするマネージャーをしてます。

ライバー支援にたずさわる中で、もしかしたら「ユーチューバーの時代が終わり、ライバーの新潮流が生まれつつあるのかもしれない」と感じるようになりました。今回は、その理由について書きます。

「ユーチューバー」は、どんな職業か?

そもそも、ユーチューバーの仕事は何でしょうか。ひとことで表現するならば、「動画投稿サイトのユーチューブに投稿して収入を得ている人たち」です。

はじめしゃちょー、ヒカキン、キッズライン、フィッシャーズ、木下ゆうか、東海オンエア、ヒカル……詳しくない人でも、名前を聞いたことがあるユーチューバーが1人はいるはず。実は、ユーチューバーのマネジメントプロダクション「UUUM(ウーム)」に所属しているトップユーチューバーも多くなっています。

(引用:「UUUM IR資料」より「チャンネル登録者数ランキング」)

彼らは、どうやって収入を得ているのでしょうか? UUUMがユーチューバーにとっての芸能事務所のようなものですので、UUUMのIR(投資家向け情報)を見てみましょう。

(引用:「UUUM IR資料」より「各ビジネスの事業モデル」)

「アドセンス」と呼ばれるYouTubeからの広告収入、クライアントから直接の依頼を受けるタイアップ広告収入、グッズやイベントチケットの販売による売り上げ、ファンクラブの会員収入、動画制作やゲームの売り上げなど、稼ぎ方は意外にも多様です。

(引用:「UUUM IR資料」より「売上高 四半期 推移」)

しかし、その割合を見れば、ユーチューバーの主な収入源が「アドセンス」「広告」であることが一目瞭然です。Googleの広告配信サービスであるアドセンスは、YouTubeからの広告収入ですから、直近の18/5期 4Qで実に91.7%が広告収入です。つまり、ユーチューバーは広告収入で稼ぐ職業なのです。

ユーチューバーを見限るべき3つの理由

(ヒカキンの年収は)数億円とも噂されるがーーという前振りのあと、ヒカキンは「具体的な金額で言ったら、さんまさんの3分の1くらい」と答え、MCの明石家さんまが「そんなに貰ってるのか!」と突っ込んでいた。(Real Sound「ヒカキンの年収に明石家さんま『そんなに貰ってるのか!』地上波でその活躍ぶりを特集」2018.05.01)

過去に明石家さんまの年収が5億4,000万円というウワサもありますので、トップユーチューバーのヒカキンは約2億円弱の年収を得ていると推定できます。

しかも、ヒカキンは好きなことで楽しそうに動画をつくっているように見えます(でも実際の努力はすごい)。だからこそ「ユーチューバーになりたい!」と夢見るキッズたちが後をたたないわけです。

楽しくて、有名になれて、しかも稼げる。これほど三拍子がそろった職業は、そうそうないでしょう。しかし、これからユーチューバーを目指そう、もしくはブレイクの兆しがなくて悩んでいる方に、私はあえて「ユーチューバーは見限りましょう」と提案したいと思います。理由は3つです。

(1)明らかに競争過多

CA Young Lab調べによれば、1万人以上の登録者を持つYouTube有力チャンネル数は4,063件あるそうです。そのうち100万人以上のトップは63件。1万人以上の有力チャンネルの中でもトップユーチューバーは約1.6%の狭き門です。それ以下のチャンネルを含めれば、いかにトップへの道のりが厳しいかがわかるでしょう。

(2)後追いは圧倒的に不利

以前、「さよならクックパッド」というKOMUGIの記事の中で、もともとフォロワー数が多い人(ノード)は、後から来た人(ノード)よりもフォロワー数が圧倒的に増えやすい、と言及しています。つまり、新人ユーチューバーがチャンネル登録数を増やすのは、かなり困難な無理ゲーです。

(3)「ユーザーと可処分時間の奪い合い」はすでに限界

ライバーのマネジメントをしていて、いちばん感じるのはビジネスモデルの違いです。ユーチューバーは広告収入ですが、ライバーはギフティング収入です。ライバーにとってのギフティングとは、視聴者が配信者にギフト(バーチャルアイテム)を送る仕組みのことで、いわゆる投げ銭です。

その違いをひとことで説明するならば、1ユーザーあたりの平均収益「ARPU(Average Revenue Per User)」です。HikakinTVとHikakinGamesのチャンネル登録数を足すと約1000万人になりますが、年収を約2億円と仮定すると、1人あたり「1.7円/月」となります。一方で、私が担当するライバーはフォローが3,000人もいない時期に月収が100万円を超えました。単純計算で、1人あたり「333.3円/月」となります(視聴時間の違いは考慮しません)。

大局的な視点に立てば、ビジネスとしては1ユーザーあたりの売り上げが高い方が収益性が高くなるため有利であるはずです。可処分時間の争いが終わり、時間あたりの収益性を上げる戦いが始まったと私は理解しています。

すでに「億ライバー」は誕生している

より稼げる場所を求めるクリエイターも多いでしょう。ユーチューバーを目指そうと思っていた人が、より稼げそうなトップライバーに切り替えることもあるはずです。

実際に、17 Live (イチナナ)のトップライバーだったあーるちゃんの事例を見てみましょう。トップライバーが集結するオフラインイベントで3連続優勝、世界大会でも優勝し、2018年3月下旬に行われたオフラインイベントでの優勝賞金は250万円、月間5000万ポイント超え、これは彼女がライブ配信を初めてから、わずか3か月で記録した数字です。

(出典:日刊SPA!「日本一のライブ配信者は“引きこもりの美女”あーるちゃんに決定!『こんな自分でも好きになっていいんだなって』」

彼女はいくら稼いでいるのでしょうか? レベニューシェアの比率は非公開なので推測してみます。

(出典:AbemaTIMES「YouTuberに続く? 急成長するライブストリーミングで稼ぐ『ライバー』」

AbemaTIMES記事を基に、1ポイントあたりの最低ライン0.5円で換算すれば、月間5,000万ポイントは2,500万円相当のギフティングです。そこから運営側の取り分が引かれるでしょうから、もし70%を運営に引かれるなら750万円、それが50%なら1,250万円です。賞金250万円を入れれば、月収で1,000万円を超える可能性が高い。つまり、12か月に換算すれば、すでに年収1億円を超える「億ライバー」が誕生しているのです。

ちなみに、私が担当しているトップライバーも、デビューから2か月目で月収100万円を超えました。まだ稼げていないライバーもたくさんいますが、現場にいる私はライブ配信を見る視聴者(ユーザー)は増加傾向にあると感じており、まだまだ新規参入のチャンスが多いと思っています。

同じ動画ジャンルにおいて、ストック型動画のYouTubeとフロー(ライブ)型動画のSHOWROOMや17 Live (イチナナ)というプラットフォーム同士で戦いは始まっています。そして、私は1ユーザーあたりの売り上げ(ARPU)が高い、ライブ配信とライバーに賭けています。

なぜライブ配信アプリは乱立するのか?

本稿のテーマである「あなたがユーチューバーを見限るべき理由」については、すでに解説が終わりました。ここからは、私がライブ配信アプリでパフォーマンスするライバーのマネージャーとして、日々考えていることをまとめたいと思います。

これから5年で「ユーチューバーからライバーへ」と、時代は大きく移り変わります(と私は信じてます)。ダイヤモンドの原石である才能あるライバーと1人でも多く出会いたいと思っています。なので、ここからはライバーに興味を持った人だけ読んでいただければ、とてもうれしいです。

そもそもライバー」とは、スマートフォンのライブ配信アプリを使って生配信する人たちのことです。配信風景はさまざまで、トークする人、視聴者との会話を楽しむ人、歌を歌う人、楽器を演奏する人、いろいろなライバーがいます。

YouTubeのユーチューバーとは異なり、ライブ配信アプリは戦国時代です。Google Playで「ライブ配信」と検索すると、たくさんのライブ配信アプリが並びます。

なぜライブ配信アプリは乱立するのか? 理由はシンプルです。

広告が収益の柱であるYouTubeにとって重要なのは、Googleの「アドセンス」という広告配信サービスです。つまり、ネットで広告主を集めてくる仕組みをGoogleが寡占しています。他の動画サービスは、自前で広告主を集められないため、結果的に動画サービスの中ではYouTubeの収益性が圧倒的に高くなる。ゆえに動画分野ではYouTubeが圧勝しています。

一方、ライブ配信アプリはギフティングが主な収益です。つまり、ライバーを集めてくる仕組みはGoogleのようなプレイヤーに寡占されていないため、他社が参入する余地が多分にあります。裏を返せば、ライブ配信アプリはライバーという商材(コンテンツ)を仕入れるのに必死です。Google Playのあるライブ配信アプリのレビューで、偶然にもこんなコメントを見つけました。

月20時間配信すれば、4万円をもらえたようです。時給換算で2,000円の割の良いアルバイトですね。しかしながら、真偽が定かではないため(たしかめる術がないため)、このライブ配信アプリを特定できないよう引用元リンクは控えさせていただきます。もし事実なら、きっとこの方は運営会社からお金をもらってライブ配信をしていたのでしょう。ライバーという商材を仕入れるには、ある程度の資本が必要のようです。

私が17 Live (イチナナ)を選んだ理由

メッセージングアプリ「LINE」の「LINE LIVE」、有名アイドルやタレントがたくさん配信しており前田社長もいろいろと話題「SHOWROOM」、2010年スタートの老舗「ツイキャス」など、ライブ配信アプリは山ほどあります。

最近ではYouTubeも負けてられるかとライブ機能において、視聴者が自分のコメントを目立たせるために購入する「スーパーチャット(Super Chat)」をリリースしています。ユーザーが多いがゆえに、コメントが流れてしまうことを逆手にとった施策ですが、ギフティングとは機能や効果が少し異なります。

その中でも、私は「17 Live (イチナナ)」での勝負を選びました。ユーチューバーでいえば、YouTubeを選ぶようなものです。最初に勝負をかける土俵を間違えてはいけません。その場所に「ライバーとユーザーが集まる」という確信が必要です。

では、なぜ私が「17 Live (イチナナ)」を選んだのか。その理由を3つ挙げたいと思います。

(1)成長性と資金調達力

2015年に台湾でスタートしたばかりと歴史は浅く、日本の17 JAPAN設立は2017年6月、本格的なスタートは2017年9月です。しかしながら、現在4000万ダウンロードとグローバルに拡大しており、台湾のM17 Entertainmentは2018年6月にニューヨーク証券取引所に上場することを発表しました(その後に延期も発表)。そこで公開された資料を解説した記事によれば、2016年比の2017年売り上げは、なんと1年で約11倍(!)の急成長です。

さらに、先ほど述べたようにライバーの獲得には大きなコストがかかります。認知を上げて視聴者(ユーザー)を獲得するのにも、お金がかかるでしょう。そう考えると、当面の採算を考えずにお金を投下できる資金調達力があるライブ配信プラットフォームが強いと感じました。東京・渋谷での屋外広告ジャック(下記の写真)やCM展開など、勝負のかけ方もスゴいと思いました。

(2)「ライバー」を職業にしたい

ユーチューバーは何がスゴいのか? まったく有名ではない素人が、ファンの心をつかんで有名人への階段を登る、シンデレラストーリーがすばらしいと考えています。たった3か月前は無名だった女の子がスポットライトを浴びるようになる「物語性」がカギだと思います。

その意味で、17 Live (イチナナ)はアイドルやタレントを前面に出すことはせず、あくまで素人出身のライバーに重きを置いています。きっとそこで生まれるシンデレラストーリーこそがエンターテイメントとして面白いはずです。

その点、17 Live (イチナナ)の創業者である黄立成(ジェフリー・フアン)は、1990年代に一世を風靡(ふうび)した台湾のヒップホップグループ「L.A.Boyz(洛城三兄弟)」のメンバーであり、アーティストやエンターテイナーへのリスペクトが強い人です。その点から見ても、生主(ニコニコユーザー生放送の放送主)の文化とは、少し異なるように思います。

また日本における運営会社である株式会社17MediaJapan CEO小野裕史(おの ひろふみ)氏は、インフルエンサーラボのインタビューで、次のように述べています。

誰もがスターになれるという世界観をつくりたいので、既存の著名人・有名人ではなくて、いまは無名の人に、ぜひライバーになってもらいたいと思っています。このように「誰もが全世界に発信でき、自分のチャネルで自分を有名にできる」という世界観こそがわたしたちの差別化ポイントであり、こだわりでもあります。

日本における目標でいうと、これから3年の間に、小学生や中学生の中で、YouTuberよりもライバーが有名になること。そして5年後には、ジャスティン・ビーバーのようなかつては無名な少年だった人がYouTubeというプラットフォームで世界にデビューしたように、ライブ配信者、特に日本が誇るポップカルチャーの領域で、ライバーとして日本で有名になること。さらにそれだけではなく、アジアに大きなファンを持つライバーが生まれてくることですね。それが、僕らが日本に進出する意義です。

僭越ながら、ライバーのマネジメントに全力で取り組む、私もまったく同じ気持ちです。すでに有名なアイドルやタレントがライブ配信で稼げたとしても、それは芸能事務所の収益化の1つの手法に過ぎません。私は日々、ダイヤモンドの原石を磨き上げるような楽しみを感じています。

(3)ライバーが稼ぐための仕組みが充実

「まだブロガーで消耗してるの?」という以前のKOMUGI記事で、ギフティング課金がなぜ機能するのか、基本原理であるフィードバックの「スピード」と「量」の2点から詳しく解説したものがあります。また、「協力のSHOWROOM vs. 競争の17 Live」という仕組み(インターフェイス)の分析もありますので、そちらを参照していただければ、なぜ稼ぐライバーが増えるのかが端的にわかると思います。

ここでは、17 Live (イチナナ)のさらなる進化について、新たに追加された2つの機能を紹介しましょう。1つは、ライバーアーミー」と呼ばれるサブスクリプション(定額課金)モデルの導入です。17 LiveのHPに解説がありますが、要するにライバーに対して月額3,750円(軍曹)〜月額188,000円(大佐)を払うことで、特別な扱いを受けられるというオプションです。

ライバーは日々「今月はギフト稼げたけど、来月は稼げるだろうか…」という不安と戦っています。アーミー(定額課金)は、そうしたライバーの不安を減らし、より質の高い配信をしてもらうために有効だと感じました。現に「アーミーで基礎の金額が稼げていると安心」というライバーの声も聞きました。

もう1つは、「マイイベント」と呼ばれるコマース(物販)モデルの導入です。ある期間に、◯◯◯◯◯ポイントをギフトしてくれたらサイン入りTシャツをプレゼントする、サイン入り色紙をプレゼントする、などの設定ができるようになりました。すでにファンの多いトップライバーで活用され始めています。

厳密には、テレビ通販の進化系である、ライブ動画配信でモノを売る「ライブコマース」とは異なりますが、ライバーの稼ぐ手段を多様化させている意味では、すばらしいことだと思います。

ギフターこそライブの主役

「ユーチューバーが面白い動画をつくってファンを集めるのと同じで、ライバーもとにかく面白いライブ配信をしてファンを増やせば稼げるんでしょ」と思った方。実は、その理解は間違いです。

ユーチューバーは広告収入なのでチャンネル登録をしてくれるファンが増え、視聴回数・視聴時間が伸びれば、それだけ広告表示の回数・時間が多くなりますので、稼げます。

ところがライバーの主な収入源は、すでに解説したとおりギフティング収入です。ファンが増えれば、ギフティングしてくれる人も増え、ギフティング金額も伸びる……違います私が担当するライバーはフォローが3,000人いかない時期の月収が100万円を超えました。ここにライバービジネスの核心があります

次の表をご覧ください。

何の円グラフだと思いますか? これは、あーるちゃんにギフティングしている「ギフター」の中で、特に多くのギフトを投げている「トップギフター」ベスト5が占める割合を黄緑色(95.7%)で表しています

つまり、驚くべきことにトップライバーである“あーるちゃん”が獲得しているポイントの95.7%(約5150万ポイント)が、たった5人のトップギフターからの投げ銭(ギフティング)によるものだった、ということです。ちなみにその月の日本最高位トップギフターは約5,500万ポイントをイチナナで使っています。推定になりますが、月間で2,000万円以上を消費している計算です。

(写真:17Liveでのライブ風景)

たとえば、こちらはイチナナのあるイベントで、ギフターが1万ポイントするギフト1,000回(1,000コンボ)をあーるちゃんへ投げて、会場を沸かせた時の写真です。つまり、このギフターはわずか5分間で約500万円(推定)を消費しています。少なくてもイチナナにおいては、ライバーだけではなく、ギフターもライブ配信の主役の1人なのです。

ギフティングエコノミーの誕生

このように、あるギフター(課金者)がエコノミー(経済圏)を支える、という構造は、実はライブ配信アプリで初めて誕生したものではありません。こうしたエコノミーはスマホゲームのそれと類似しています。課金額の大きさをタテ軸にとり、横軸の棒が一人ひとりのユーザーだとすると、こんなグラフが描けるでしょう。

いちばん左が「月に1,000万円を使う高課金ユーザー層」ならば、右が「ゼロ円の無課金ユーザー層」です。一定額を課金するプレミアム会員でビジネスをする、いわゆる「フリーミアム」であれば、左側のグラフはでこぼこになりません。私はこの「あるギフターがエコノミーを支える構造」「ギフティングエコノミー(ギフト経済圏)」と呼んでいます。

ルネサンス期のイタリア・フィレンツェにおいて、メディチ家がパトロン(支援者)としてレオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロなどの芸術家を支えたように、また相撲界や芸能界のタニマチ文化のように、裕福なギフターがライバーのパフォーマンスを支え、あらゆるユーザーが無料で配信を楽しむことができるのです。

ホストやキャバクラのように自分だけが楽しむ文化とも少し違います。ライバーとギフターが相互作用しながら、エンターテイメント空間をつくっている、というのが現場を見ている私の見方です。

「ITプラットフォームによる搾取を美化するな」という批判もありそうですね。過去のスマホゲームのコンプガチャ問題のように、お金のない人が借金をしてギフティングをしていたら、それは問題でしょう。しかし、ガチャとは異なり、一般人には1万ポイントのギフトを1,000コンボすることはできないでしょう。そもそも、一般人にはトップギフターの真似などできないのです。

ライバーに向いている人とは?

ライバーに興味を持ってくれた人に向けて、どんな人がライバーに向いているのか、という話をしたいと思います。わかりやすくユーチューバーと比較してみましょう。

撮影や編集の技術が必要なユーチューバーに対して、ライバーは生放送なので配信の技術は必要ありません。むしろ、ライバーにとって必要な技術は、ギフターや視聴者と会話しながら、ライブをエンターテイメント空間にしていくトークのスキルです。イメージは芸人さんに近いでしょうか。

たまに「ギフティングを使わせることにフォーカスしているな」というライバーもいますが、長くは続きません。結局、「ギフターや視聴者に楽しんでもらおう」という空気感がなければ長く活躍することはできませんし、「このライバーを応援しよう」となりません。

また、残念ながら見た目はそれなりに重要です。「見てみようかな」と視聴者が思うきっかけは、やはりライバーの写真を見て決めているケースが多いからです。ただし、トーク技術や愛嬌の良さでカバーできているライバーもたくさんいますので、気にしすぎることはありません。

最後に、やはり努力です。ライブ配信のゴールデンタイムともいえる20時〜25時の間で毎日配信しているライバーは、たくさんのファンを抱えています。マネージャーである私の役割は、視聴者が少なくて心が折れそうになったライバーの支えとなることだったりします。

もしライバーに興味を持った方はTwitterのDMでご連絡ください。イチナナと正式に契約しているエージェントに所属しておりますので、ビジオチャット面接による選考はありますが、通過すれば認証ライバーとしてデビュー可能です。ライバー登録に費用はかかりません。マネージメント会社の収益は、イチナナから支払われるエージェントフィー(報酬)です。ライバーからお金はとりません。トップライバーを目指す人は、全力でサポートさせていただきます。

重要な「コントリビューター」の役割

さて、最後に大切な話です。実は、ライブ配信においてギフター以上に大事な存在がいます。それは、あまり課金するお金は持ってないけど、配信があれば必ず見に行くし、コメントによる応援で楽しいライブ配信空間をつくってくれるユーザー(視聴者)です。私は彼らを「コントリビューター(貢献者)」と呼び、とても大事にしています。

例を挙げましょう。決まったルールはまったくありませんが、イチナナではポイントのキリ番(キリの良い番号)がライバーがポーズをとってくれてスクショ(スクリーンショット)できるサービス時間となっている場合が多くあります。

(写真:17Liveでのライブ風景)

そのため、ギフターや視聴者たちがコメントで会話しながら協力しあい、キリ番を揃えようとがんばります。そのときに活躍するのが「コントリビューター」です。彼らは「ただいまキリ番中です」「キリ番中⚠」など、たった今見始めてばかりの視聴者にも注意を促し、ポイントがキリ番になるようにコントロールしていきます。そして、キリ番を達成したときに、真っ先に盛り上げてくれるのもコントリビューターです。

また、他のシチュエーションでは、例えばあるイベントでライバーがランキングを争っている時に、「次の◯位まで◯◯◯◯ポイント足りません」とコメントを入れてくれるのもコントリビューターです、それを見て「じゃあ、ギフトしようかな」とギフターが動くことも多々あります。

コントリビューターの無償の奉仕ナシに、ライバーは成長しませんし、ライブ配信空間は面白くなりません。私もライバーのマネージャーとして、本当に感謝をしています。いつもライバーを支えていただき、ありがとうございます!

「共感」から「共鳴」へ

このように、「ライバー」のライブ配信を支えるのは、一般のユーザー(視聴者)だけではなく、ギフティングで盛り上げる「ギフター」や、配信があれば必ずやってきてコメントにより現場の空気をつくる「コントリビューター」たちです。

ライブ配信アプリにおけるユーザー行動の変化は、「共感から共鳴へ」という言葉で、言い表すことができるのではないでしょうか。

従来のインフルエンサーが大切にしてきたのは、SNSでいかに共感を生むような写真や言葉を生み出し、Facebookの「いいね!」やTwitterの「リツイート」をユーザーから得られることでした。SNSで圧倒的な支持されている、ゆうこす(菅本裕子)さんは、あるイベントで次のように述べています。

「特に TwitterはRTがあるのでわかりやすいと思うのですが、SNSは拡散によって多くの人に知ってもらえる場所です。そして、拡散は共感がないとしてもらえません。 『わかるわかる、いいね!』という投稿や『本当は思っているけど自分じゃ言えないんだよね』という投稿。そういう共感してもらえるツイートができると拡散につながります。」(ferret「ゆうこす流、共感されるSNSの作り方」

しかし、ライバーはさらに深く心が動かされて、お互いに鳴り響くような「共鳴」が求められます。「いいね!」や「リツイート」と比べても、「ギフティング」や「ライブ配信を必ず見に行く」という行動は、明らかにコミットメントが強いものです。「弱いつながり」の中で重要なのが「共感」ならば、「強いつながり」で大切なのが「共鳴」です。

たしかに、今のトップライバーは十数万人のフォロワーしか抱えていません。YouTubeやツイッターのインフルエンサーはさらに多くのフォロワーを抱えています。しかし、ライバーの武器は「共鳴」してくれる熱心なファンです。

「共感から共鳴へ」。ライバーの成長ストーリーと共に歩むギフターやコントリビューターは、ライブ配信アプリ以外のメディアへの露出が増えたとき、必ずライバーを支えてくれるはずです。トップライバーたちが、メディアを賑わす日が来ること、私は心待ちにしています。

まとめ

今回は、なぜライバーのマネージメントに関わる私が「ユーチューバーよりライバーを目指すべき」と考えているのか、ライブ配信アプリの現場を見ている視点から解説しました。KOMUGIでの初エントリーとなりましたが、いかがでしたでしょうか?

ユーチューバーも新しく登場した職業ですが、ライバーもまた新たな職業として、きっと社会に定着していきます(と私は信じています)。ライバーは芸人さんのように毎日の配信でトーク技術を磨いていますので、きっとテレビやラジオなど活躍の場を広げられるはずです。

「最近ライバーって、よく聞くな」と思ったとき、「そういえばライバーの記事があったな」と、この記事『あなたがユーチューバーを見限るべき理由』を思い出してもらえるとうれしいです。頭の中を整理して書き終えるまでに、なんせ3か月ぐらいかかりましたので(笑)。

ではでは。

(執筆: 長嶋夕貴、編集協力: 久保田大海

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