編集者とは?

「編集者の仕事は何だろうか?」と考える機会が増えました。本をつくるだけでは、なかなか著者のメッセージを届けることができません。最近では、本だけをつくることしかできないことに危機感しかありません。

「編集」とは、何を意味しているのでしょうか? 辞書には次のように書かれています。

あ・む【編む】の意味
[動マ五(四)]
1 糸・竹・籐 (とう) ・針金・髪などを互い違いに組み合わせて、一つの形に作り上げる。そのようにして、ある物を作り上げる。「藺草 (いぐさ) でござを―・む」「髪をお下げに―・む」
2 いろいろの文章を集めて書物を作る。編集する。「論文集を―・む」
3 計画を組み立てる。編成する。「日程表を―・む」

出典:デジタル大辞泉(小学館)

あつ・める【集める】の意味
[動マ下一][文]あつ・む[マ下二]
1 多くの人や物を一つところにまとめる。「聴衆を―・める」「切手を―・める」
2 興味・関心などを引きつける。集中させる。「注目を―・める」「人望を―・める」「全神経を―・める」

出典:デジタル大辞泉(小学館)

これをふまえ、「編集者」を自分なりに定義してみます。

言葉、人、才能、知識、文化的・社会的文脈、すべての「モノ」「コト」を選び、集める。それらを互い違いに組み合わせて、「本」「記事」「イベント」など、さまざまな一つのカタチに作り上げる。そのカタチのすべてが「メディア」になります。

それらの「メディア」を用いて、学習の達成感、好き嫌い、愛など感覚や感情にレバレッジをかけて、人の興味関心を集め、人間にとっての新しい付加価値を生み出し、お金との価値交換を行う(ビジネスにする)仕事。それが編集者だと考えています。

「モノ」や「コト」を集める作業には、編集者それぞれの選ぶ「価値観」が入るものです。ところが、検索エンジンでWEBページの質を判断して順位付けをしたり、ニュースキュレーションアプリで重要なニュースを選ぶのはアルゴリズムです。さらに機械学習で進化するAI(人工知能)も登場しました。はたして、これからも「モノ」や「コト」を集めるのは人間でしょうか? それともアルゴリズムやAIでしょうか?

かつては編集者の「価値観」が前面に出た本や雑誌がカッコいい、オシャレだ、という時代でした。今はグルメ誌やファッション誌より、検索やアプリを選ぶ人がほとんどでしょう。そう考えると「選ぶ」「集める」作業は、もはや編集者の仕事ではなくなってくるのかもしれません。

しかし、選び、集めてきた「モノ」や「コト」を「組み合わせる」ことで、一つのカタチ(メディア)をつくり、人間の感覚や感情にレバレッジをかけて新たな価値を生み出すところは、今のところ人間を超えるものはありません。つまり「組み合わせる」ことが、編集者にとっての価値の源泉であるはずです。選び、集めてきた「モノ」や「コト」を、本や雑誌という一つのカタチだけに組み合わせることだけでは、もはや編集者の仕事とは呼べません。

メディアが伝える「文字」「写真」「映像」「音」のうち、編集者が扱うのは、特に「文字」「写真」の2つです。相性がよいメディアは本や雑誌以外にもたくさんあります。ウェブもネットもSNSもイベントも、すべて「文字」「写真」が活かせるカタチ(メディア)です。編集者がやるべき仕事には、まだ未知の領域がたくさん残されています。

KOMUGIでは、編集者という仕事の、新しいカタチを考えていきます。

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